「正しい」とは

http://www.sankei.co.jp/news/060523/sha043.htm

鉛筆、正しく持てますか? 教員でも「適切」17%/学力への影響も

 はしの持ち方とともに、鉛筆の持ち方がおかしくなっているといわれて久しい。子供の所作の乱れのようにも思えるが、もとをただせば、正しい持ち方を教えられない大人が増えていることが原因だ。(津川綾子)

鉛筆を正しい持ち方で持つことのできない子どもが増えているとのこと。その原因は大人がそもそも正しく持てていないからだ、という趣旨。
この記事の中で、大人が鉛筆が正しく持てないことの根拠として具体的な数字が挙げられている。

平成9年、小学1年生から50歳以上の大人まで計2700人の鉛筆の使い方の実技判定と、正しく使っていると思うかどうかの自己認識調査を実施した。その結果、幼稚園、小中高校、大学の教員のうち正しく鉛筆を使っていたのは17.3%。一方で80.7%が「自分は正しく使っている」と答え、誤りを自覚していないことがわかった。

子どもから大人まで計2700人のうち、幼稚園・小中高・大学の教員が何人いるのかわからないのでこの調査の信用度がそもそも怪しいのはおいといて、17.3パーセントしかいないとは驚きである。そりゃ子どもの鉛筆の持ち方も悪くなるわな。
ちょっと待てよ!「正しい鉛筆の持ち方」ってなんなんだろう。鉛筆の使い方の実技判定ってなんなんだろう。
気分を変えて別のところを見てみる。

鉛筆の持ち方の乱れは、さまざまな弊害を招くという指摘がある。

 桃山学院大学高橋ひとみ教授(健康教育学)は「鉛筆を自由に動かせないために文字が書きにくくなったり、鉛筆の先が見づらくのぞき込むため、姿勢が悪くなったりする。そのため疲れやすく、学習能率や視力の低下につながるおそれがある」と話す。
また、冒頭の岸本教諭は「ノートを取るのに極端に時間がかかるうえ、文字もきれいに書けないので、勉強そのものが嫌いになってしまう子も少なくない」と語る。

なんと言ったらいいのか。鉛筆の持ち方いかんで勉強そのものが嫌いになることがある、というのはいささか暴論では。
そもそも「鉛筆の持ち方には正しい持ち方がある」という前提があってこそ「鉛筆を正しく持てない」という問題が出てくるのでは。なので「鉛筆が正しく持てない」という話題に触れるならば「正しい鉛筆の持ち方」をしっかり定義づけすることが第一なのではないか。


ものは書きようだなとよく思う。