朝食ってなに

http://www.asahi.com/life/update/0520/005.html

20代男性の3割超は「朝食抜き」 厚労省改善呼びかけ
2006年05月20日11時10分
 20代男性のうち朝食を食べない人は3割を超えることが、厚生労働省がまとめた04年国民健康・栄養調査で分かった。国民の健康づくりの計画「健康日本21」が掲げる目標値(15%以下)からはほど遠い結果で、厚労省は「朝食を抜くと栄養が偏るだけでなく、昼食や夜食を食べ過ぎて肥満や生活習慣病の引き金にもなる」と、改善を呼びかけている。

ここでいうところの「朝食」の定義がよくわからなかったので、せっかくの機会だと思って厚生労働省の「健康日本21」(http://www.kenkounippon21.gr.jp/)を調べる。
上記リンク先の中の「平成16年国民健康・栄養調査結果の概要について」(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0508-1a.html)というところを見てみる。
メタボリックシンドロームとかは今回はどうでもいいので「結果の概要」の第1部の5、「朝食の欠食率」というところを見る。結果、

朝食の欠食率は、平成11年以降、全体的に男女とも増加しており、特に男女とも20歳代で最も高く、男性で約3割、女性で約2割。
20歳代の一人世帯に限った朝食の欠食率は、男性で約7割、女性で約3割。

とのこと。で、そもそも「欠食」とは何を指すのかというと、

本調査での「欠食」は以下3つの場合の合計である。
(1) 何も食べない(食事をしなかった場合)
(2) 菓子、果物、乳製品、し好飲料などの食品のみ食べた場合
(3) 錠剤・カプセル・顆粒状のビタミン・ミネラル、栄養ドリンク剤のみの場合

ということらしい。あとは朝食の欠食率の年次推移や年代別の欠食率のグラフが載っているだけ。結局「朝食」の定義はわからず。具体的に何時から何時まで、「欠食」に定義される内容以外のものを、具体的にどれだけの量を食べたのか、ということは何も示されないまま、「欠食」ということだけが強調された調査であることがわかった。
例えば、朝7時に起きたとしても、出勤途中に食べるものを買っていき、職場で9時ごろ摂るような食事は朝食の範囲に含まれるのか。仕事の関係上朝4時や5時に寝て昼12時に起きる人が起きてから摂る食事が朝食なのか昼食なのか。もうちょっと言うと、完全に夜勤で朝夕がひっくりかえってる場合(朝10時頃に寝て夜6時に起きる場合など)は、どう考えればいいのか。
食べるものも、豆腐とわかめの味噌汁5杯だけ飲む場合はどうか、昨日の夜ご飯の残りのカレーを食べようと思ったけどご飯がなかったのでカレーだけ流しこんだ場合はどうなのか、など疑問点はいくらでもある。また、乳製品が朝食に入らない理由は何か、カロリーメイトは??
このようなあやふやな調査をもって

国民の健康づくりの計画「健康日本21」が掲げる目標値(15%以下)からはほど遠い結果で、厚労省は「朝食を抜くと栄養が偏るだけでなく、昼食や夜食を食べ過ぎて肥満や生活習慣病の引き金にもなる」と、改善を呼びかけている。
http://www.asahi.com/life/update/0520/005.html

などと堂々と呼びかけるとは何事か。もしかして厚生労働省は『朝7時起床・ご飯と味噌汁、焼き魚』しか人間だと認めてないのか?
と、揚げ足とってみました。